一部の費用はどちらもほぼ同じ
新車と中古車では、どんな費用にも差が出るように思われがちですが、実際には 一部の費用に関しては、車種やグレードが同じであれば新車も中古車も特に差が出てきません。
まず、リサイクル費用は車種や装備によって金額が決まっており、これらが共通している車両ならば、新旧関係なく同じ金額が課せられます。次に、駐車場代ですが、こちらも該当の車両がその駐車場に止められるサイズであることが確認できれば、金額は同じで借りることが可能です。他にも、自賠責保険は車種に応じて決まった金額を支払います。自賠責保険も原則全員加入となっていますが、保険料は新旧関係なく同じです。ただし、この保険は車検ごとに更新されるため、車検までまだ期間のある中古車を購入したのならば、次の車検まで保険料を払わずに済むというメリットがあります。
これらの費用は、車を維持するうえでほぼ必要なものですが、新車と中古車を比較しても違いがないため、どちらを購入するかで迷っているときにはあまり気にする必要はありません。ただ、車両の購入価格に加えなければならないものですので、予算はきちんと確保しておきましょう。
中古車で注目すべき維持費
中古車は、購入するときの金額が新車よりも割安になるというメリットがあります。 また、車検の残っている車両を購入した場合には、自賠責がしばらく名義変更のみで利用できるため、便利です。ただし、いくつかの維持費は新車に比べて高くなりますので、判断基準として知っておいた方良いでしょう。
まず、ガソリン代についてですが、同じ車種、同じグレードの車であっても、燃費の良さは年式やモデルによって異なります。一般的には、やはり新しい車は燃費性能が向上しているケースがほとんどですので、ガソリン代などの維持費を節約したい時には、具体的な違いまできちんと確認しておきましょう。また、定期的なメンテナンス代に関しても、新車のうちは数年間補償がついており、無料で修理や交換をしてくれることがあります。しかし、中古車の場合には定期点検や補償などがそれほど充実していないため、メーカー等に中古車で加入できるか調べておいた方が良いでしょう。さらに、単純に中古車は前の人が乗っている車両です。そのため、新車に比べると安い分、故障や不具合が出やすくなる傾向があります。中古車になると、車両の修理は実費になるプランも多く、新車に比べて高くなりがちです。それから、一括で支払う時には問題になりませんが、ローンを組んで分割で払う場合には金利にも気をつけましょう。一般的に、年2~3%程度の好条件の金利を提示しているのは銀行系ですが、提出書類が多いうえ、審査も厳しく、中古車購入ではなかなか融資を受けられません。そのため、販売会社のローンを組むしか方法がありませんが、こちらも新車は4~6%となっているのに対し、中古車は8~10%と高めの金利になります。
新車で注目すべき維持費
逆に、新車の方が高額になる維持費もあります。新車は、初期投資こそ高額になるものの、全て好みの装備やオプションにできるため、満足度は高いです。 出荷前の不具合などの特殊な場合を除いては、新しい分ほとんど故障が出ないため、メンテナンス代も抑えられます。一方で、以下のように割高な費用もあります。
まず、自動車取得税に関しては、車の経過年数で価値を査定しますので、高い価値のある新車は高額になります。また、購入するときに支払う消費税も、本体価格が中古車より高額になるため、割高です。自動車重量税は、車両の重量に応じて税額が決まってきますが、車検ごとの更新となるため、新車に限っては3年分を支払わなければなりません。そのため、1年あたりの金額は同じになるものの、初回の自動車重量税は中古車よりも多くかかることになります。
新車と中古車、どちらがお得?
結局のところ、新車と中古車のどちらがお得なのでしょうか。
購入してすぐの年間維持費に関しては、事故がほとんどなく、燃費の良い新車の方が安い可能性があります。しかし、購入した時の代金は、新車よりも中古車の方が安くなっており、かなりの開きがみられるため、当面の支出はどちらもほぼ一緒です。そして、新車もいずれは中古車になるため、長い目で見るとそこまで変わらない可能性が高いのです。
ちなみに、民間の任意保険に関しては、保険加入者の等級によって割引額が変わってくるため、一概には比較できません。ただ、新車のうちは車両保険を多めにかけますが、だんだん補償額を下げていくため、修理費が惜しくないくらいの経過年数になると、中古車の方が安くなりやすいです。
一般的には、長期的に同じ車に乗るなら、維持費が安く故障しにくい新車がお勧め です。一方、免許取りたての子供の練習用に使う場合、短期間で車を処分する予定の場合などは、中古車の方が買いやすくなります。 なお、中古車扱いではあるものの、わずかな走行距離しか走っていない展示用の車や試乗用の車もあります。こちらは、ほぼ新車同然で車検や自賠責保険なども加入しているうえ、修理の回数も新車並みに少ないため、非常に人気です。
自分がどんな車を欲しいのかを考えてみましょう
このように、毎月の維持費には多少の差異がみられる可能性もありますが、購入価格も含めたトータル金額でみると、大きな違いにはなりません。維持費を考えてせっかくの車の購入をためらっているのならば、自分が新車、中古車のどちらを欲しがっているのかを考えてから選ぶとよいでしょう。