車買取業者のよくある営業トークと対処法
買取業者に買取依頼をすると、営業担当者と買取価格について話をしながら交渉をすることになります。その中で、特に営業の口から出やすい「営業トーク」のパターンがあります。 ここでは、一般的によく聞かれる営業トークとその対処法について解説します。
今すぐ決めてもらえるなら〇〇にします
車買取でよく耳にするのが「今すぐ決めてもらえるなら〇〇にします」という営業トークです。 これは、早めに売却することでお得になると考えさせる交渉術です。
最初は低い金額で買取価格を提示し、後から高い金額を提示することで「この金額になるのは今だけ」と売り手に感じさせる効果があります。 提示された金額が納得できる高い価格であれば、その金額で売却を即決しても問題ないでしょう。 しかし、他社での買取金額など比較検討できる材料がない状態で即決する場合は、本当にその金額でいいのか慎重に検討してください。
希望金額を教えてください
買取依頼をすると、査定を行う前に「希望金額を教えてください」といわれるケースもあります。 このとき、相場を知らずにいると、相場より低い金額を営業担当者に話してしまうことがあります。
売主自身が知らぬうちに自分で限界値を決めてしまう形になるので、慎重に答える必要があります。 他社での査定金額や車の相場を知ったうえで、希望価格を伝えるのであれば問題ありません。
これがうちの出せる「ギリギリ」の金額です
買取依頼では、交渉していく中で「これがうちの出せるギリギリの金額です」という営業トークもよく耳にします。 ギリギリの金額と聞いてしまうと、うまく交渉ができ、限界まで高値を引き出せたと考える方もいらっしゃるでしょう。 しかし、希望金額よりも低いと感じたら、そこで決めず交渉をするのも一つの方法です。
上司に相談します
「上司に相談します」や「本部に相談します」という言葉は、車の買取のみならず、商品の購入時の交渉などでもよく聞きます。 中には、「そこまで頑張ってくれたから」とその価格で契約をされる方もいらっしゃるでしょう。 その際には、希望金額と比べてみて、提示された金額に届かない場合には、本音で相談をすることも有効な場合があります。
他社では、この車には買取価格はつきません
「他社では、この車に買取価格はつきません」といった、特別感を出す買取業者もいます。 この営業トークは、年式が古い車や走行距離の長い車、事故車など、もともと査定で評価が低くなりがちな車を買取する場合に使われます。
しかし、不動車などの車でない限り車には価値があるため、買取価格がまったくつかないということはあまりありません。 「この車は、他社なら買取価格はつきません」といわれた場合でも、その言葉にまどわされることなく、納得する説明を求めて相談してみてください。
この金額は今日しか出せません
その場で即決してもらいたいというときによく使われるのが、「この金額は今日しか出せません」という営業トークです。 今日を逃したらこの価格では買い取れないと、期間限定であることをアピールする交渉術です。
買取業者の多くは、査定金額を5日から1週間ほど維持します。 納得したうえで手放したい場合には、今日その場で決める気はないことを伝えて、じっくりと相談をしましょう。
この車をすぐにでも欲しがっている方がいます
「この車をすぐにでも欲しがっている方がいます」というトークも、即決してもらいたいときに使われることがあります。 実際に、欲しがっている人が多い人気車種などは、お客様からオーダーを受けていることがしばしばあります。
「今欲しがっている方がいる」と伝え、今ならば好条件での買取も可能であることを促しているのです。 人気の車種であればなおさら、高額買取する業者がいる可能性が高まるので、しっかりと検討をしたうえで売却するようにしましょう。
買取業者の営業テクニックにまどわされないためのコツ
ここでは、営業テクニックについ乗ってしまわないようにするためのコツをいくつか紹介します。
愛車の買取相場を事前に調べておく
中古車販売サイトなどに掲載されている価格は、販売業者の利益分も含めた価格です。買取価格と比較すると基本的には高い金額となっています。 その数字を参考にしてしまうと、「思ったよりも高く買い取ってもらえない」とガッカリしてしまうため、前もって買取価格の相場を調べておきましょう。 その結果、相場よりも低い金額を提示された場合に、自分で気づけるようになります。
即決せずに必ず持ち帰って考える
少しでも高い金額で車を売りたい場合は、即決せずに必ず持ち帰って考えることも大切です。 「今日だけ」や「今決めてもらえるのなら」などといった営業トークを聞いて、その場で即決してしまうと後悔するケースもあります。 その場で決めずに、他業者の金額や相場と比較をして、提示された金額が適正であるのか、また本当に高い買取価格なのかを見極めるようにしましょう。
少しでも高い価格で車を売るための交渉術
ここでは、交渉が苦手な方でも試しやすい営業担当者との交渉術について解説します。
本気度を伝える
まずは、「本当に売りたい」という気持ちをアピールしてみてください。 「まだ売る気はないけれど」など、買取に前向きではない伝え方をしてしまうと「冷やかしではないか」と思われてしまうかもしれません。 また、必要書類をすでに揃えておいてあることをアピールするのも効果的です。
愛車のアピールポイントをまとめておく
「営業担当者にアピールできる自信がない」という方は、事前にアピールポイントをまとめておくと、スムーズに話ができるかもしれません。 例えば、ナビやETCなどのオプション用品が純正であることを伝えると、買取価格が上がる可能性があります。 他にも、修復歴がないことや事故歴がないことなど、アピールできるものは全て伝えるようにしてみてください。
具体的な売却時期を提示する
買取業者はできるだけ早く車を引き渡してもらいたいと考えるため、売却する時期を具体的に伝えることで価格を上げられる可能性 はじめのうちは、「引き渡しに時間がかかるかもしれない」と話をし、交渉でなかなか希望額にならない場合は、「早く引き渡しできれば、高くなりますか？」など、時期を早めることで価格交渉をするという方法もあります。
他社と迷っていることを話す
買取業者は、競合他社で査定を受けていることが分かった場合、そこよりも高い価格をつけるケース 他社で先に査定を受けていた場合、その査定額を価格交渉の材料にもできます。
営業担当者からはじめに、他社で査定を受けたかどうかを聞かれる場合もありますが、その際は受けたことだけを伝え、金額を伝えないことも一つの方法といえます。 他社より査定額が低かった場合は、他社の金額をもとに相談することも可能です。同等の金額だった場合は、あなたに売却したい気持ちが強いので、いちばん良い条件で売却したい思いを伝えてみてください。歩み寄ってもらえるかもしれません。
愛車をきれいに使っていることを話す
普段から頻繁に車を掃除していることや、屋根つきの駐車場に停めていたこと、さらに点検を必ず行いメンテナンスをしていたことなどを伝えると、買取価格に影響する場合があります。 買取業者から「きれいに乗っていますね」といわれたときは、これまでの努力をアピールするチャンスです。
営業と交渉しても査定額が上がりにくい車の特徴とは？
お伝えした交渉術を使えば、どのような車でも査定金額が上がるというわけではありません。車によっては、査定金額が上がりにくい場合もあります。
事故車（修復歴車）である
価格交渉をしても、査定金額が上がりにくい車の1つ目は、事故車（修復歴車）です。 事故車は、自動車業界では「修復歴車」と呼ばれており、骨格（車のフレーム）部分などの部位を交換または修正したことがある、または、ぶつかったまま歪みが残っている車のことをいいます。 事故にあった車の全てが修復歴車になるわけではなく、修復した部位によって修復歴車になるかどうかが決まります。
修復歴車は、再販するのに修理が必要な場合、そのぶん費用がかかるため買取価格が下がってしまいがちです。 しかし、査定額が下がるからといって、修復歴車であることを隠すのはやめましょう。 修復歴がある車であることを隠して売却してしまうと、契約不適合責任（旧瑕疵担保責任）を問われるリスクが発生しますので、査定額が下がっても正直に伝えることが大切です。
年式が古い
買取価格が上がりにくい車の2つ目は、年式が古い車です。 下落する割合は車種や状況、環境により異なりますが、「車を売却する際、どのくらいの査定額になるのか？」を把握する意味では、一つの参考基準となります。
走行距離が一定基準を超えている
走行距離が一定の基準を超えてしまっていることも、価格が下がる原因となります。 走行距離は、年式よりも重要視されることが多く、長くなればなるほど買取価格が下がっていきます。
査定の際、もちろん車種にもよりますが、ガソリン車では100,000㎞、ディーゼル車では200,000㎞というのがボーダーラインと捉える方が多い傾向にあります。 基本的には、1年間で10,000㎞走ることを想定して査定されているため、たとえ年式が新しくても、走行距離が長い場合は、価格が下がってしまいます。
モデルチェンジした後の車種
モデルチェンジした後の車も、価格が上がりにくいです。 車はモデルチェンジされる度に乗り換える方もいるため、モデルチェンジ後は「型落ちした車」として価格が下がってしまう原因となります。 そのため、愛車にモデルチェンジの話が出ていることを知った場合は、新型が発売される前に売却を検討してみてください。
車の査定額を上げるためのポイント
車の査定金額を上げるためにできることは、交渉以外にもあります。
下取りよりも買取がおすすめ
買取価格を上げるには、ディーラー店での下取りではなく、買取業者で買取を検討してみてください。 下取りは、新しく車を買うことを前提としており、ディーラー店では査定のマニュアルに沿って下取り額を決めていきます。
そのため、車種の人気や社外品のオプション装備などが、評価に影響を与えることが少なく、プラス評価がされにくくなります。 一方で、買取業者の場合は人気の車種やオプション装備などについても考慮したうえで、査定金額を出します。 さらに、査定金額について他社と競争してもらいやすいうえに、中古車の流通ルートが確保されているため、より高い金額で買取をしてもらえる可能性があります。
高く売れる時期を選ぶ
高く売れる時期は、中古車の需要が高まる時期や買取業者の決算がある時期などです。 特に、1月から3月にかけては新生活をはじめる前に中古車を購入する方が多く、この影響から買取需要も高まります。 タイミングをあわせられるのであれば、1月から3月の時期に車の売却を検討してみてください。
無理に傷やへこみを直さない
傷やへこみを査定の前に直そうとする方がいますが、修理に出した場合のプラス査定より、修理代金のほうが高くついてしまう可能性があります。 また、自分で傷やへこみを直す方もいますが、かえって傷が目立ってしまいマイナス査定をつけられるかもしれません。 傷やへこみが気になっても、そのまま査定を受けてみてください。
中古車の買取も販売も行っている業者を選ぶ
買取業者の中でも、より高く買取をしてもらえるのが、買取と販売を両方行っている業者です。 中古車の買取だけや販売だけを行っている業者の場合、間に業者を挟むため中間マージンが発生します。そのため、中間マージンのぶん、査定額が下がってしまう可能性があるのです。 しかし、販売も買取もどちらも行っている業者は、中間マージンがかからないぶん、高額査定がつく可能性があります。
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