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大和桜ヶ丘店 伊藤 伯貴店長
商談力から接客力へ
1998年5月アップルに入社。
前職は、新卒で入社したディーラー。営業マンとして5年間勤務した。自身がアップル店の出入り業者だったことで、この仕事の面白さに惹かれアップルへの転職を決意する。アップル歴は今年の5月で16年目に突入するというベテラン店長。
2011年1月16日伊藤店長は当時業績低迷の続く大和桜ヶ丘店に店長として赴任。この時、この店を立て直せるのは、自分しかいないという強い思いがあったのだという。赴任当初、商談力に自信のあった伊藤店長は、とにかく自分の商談でなんとかなるはずだと高を括っていた。ところが、予想以上にお客様が少なく、査定数も伸び悩んだ。休みも返上で店を開けてもお客様は来ず、体力的にも精神的にも病んでいったそうだ。まさに負のスパイラルに陥ってしまう。
「このままではダメだ。もともと、この業績低迷店に自分が来たのは、ここを車屋っぽい店からあたたかい雰囲気の店に変えたかったからなんだ。」 そして店舗の改善に取り掛かる。とにかく、来店して頂いたお客様に喜んでもらいたい。そして安心感を与えたかったという。
伊藤店長は、趣味の海釣りを前面に打ち出す。自慢の魚拓や大物を釣り上げた時のスナップ写真をディスプレイ。さらには、つり情報という専門雑誌をマガジンラックに追加し、趣味性を高めた雰囲気を創り出す。竿やリールも倉庫に置いて、興味のあるお客様には実際に見せることもあるとか。もちろんそれだけではない。店内やトイレ・洗面所のディスプレイなども奥様のご意見も取り入れながら改善。レンガを使った花壇(プロ並みの仕上がり)もスタッフと一緒に手作りした。そして店舗内外は、あたたかい空間へと変わっていった。さらに、『全員接客』にも取り組む。
加えて、商談スタイルにも大きな変化があった。10年以上この仕事をやってきた自分自身の商談力に限界を感じたことで、”商談力”でなんとかしようという考え方を改めた。これからは、”接客力”でなんとかしようという考え方にシフトしたそうだ。このスタイルにしてから、精神的にも楽になり商談ではなく相談が増えたという。そんな接客を実践していてうれしいのは、やはりお客様の声で大和桜ヶ丘店で車を売って良かったと言ってもらえること。
様々な取り組み・意識改革など、大和桜ヶ丘店に赴任してから多くの気づきがあった。いつもお世話になっている店舗裏の大家さんとは、赴任して以来3年のお付き合いになるがいつも差し入れをくれたり、遊びに来てくれて良好な関係を築いているそうだ。 伊藤店長はそんな大家さんの為に専用の花壇を店舗の玄関脇に作り自由に使って頂いているという。その大家さんから先日言われた言葉が、「伊藤さんずいぶん変わったね。以前は表情もピリピリしてたけど、近頃は表情も柔らかくなったよね。店が店らしくなったな」 まさに、伊藤店長の目指すあたたかい店作りの努力が報われた瞬間だった。
「お金じゃない損得もある。これからもお客様に喜んでもらえるよう頑張るよ。」伊藤店長はやさしい笑顔で答えてくれた。
取材日:2014年2月